事業承継

2014年9月11日 (木)

事業承継と時間

会計専門家として事業承継のご相談を受けることが多いのですが、全般的なコンサルタントの方のお話も聞いてみたいと思い、中小企業診断士の先生のお話を伺いました。

専門分野は違いますが、共通するのは、お客様のそれぞれのご家庭の事情、事業への思い、歴史を、よく聴いて理解しなければ何も始まらないということ。

お客様が不安に思われていることは、それぞれに異なり、教科書通りに進むものはないのですから、時間をかけて心を添わせることが何よりも大切とつくづく思います。

 

ただ、怖いのは対策が出遅れになること。
できる限り早い着手が成功への近道です。

そこで、中小企業診断士の先生のお勧めの一つが、『100年カレンダー』。

これは自分が生れた日から、100年間のカレンダーを1枚の紙にして、現在の年齢、リタイア予定の年齢、平均寿命、そこから自分がいくつくらいまで生きるか(予想?)などを記入していくものです。

10年、横10年の表は、現在の自分の場所と、残りの想定時間を見ることができ、大切に生きなくては…と思わされますが、事業承継対策のスタートでは、これを示して、引退の時期などを考えていただくのだそうです。

自分が何をしたいのか、どんな人生を歩みたいのか、事業承継のみならず考えさせられるお話でした。

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2013年10月 8日 (火)

企業の寿命と事業承継

企業のライフサイクル30年説は1980年代に日経ビジネスが唱えたものだそうです。

30年説はわかりやすい長さでした。

三十代で起業して、六十代で引退する、そのビジネス人生とも一致するからです。

ところがその後、企業を取り巻く環境の激変と世界規模の競争の中、今では企業のライフサイクルは10年を切っているともいわれています。

 

ただ、その中でも、復活を遂げ、再び成長する企業もあります。

その理由は、環境の変化への適応に成功したこと。

「適応」とは単に時流に乗ることを意味するのではなく、環境の変化を冷静に分析したうえで、従来の強みをどう生かし、何を捨てて、何を取り入れるのか、大胆に取り組むことなのでしょう。

 

歴史があればあるほど、独りよがりになりがちですが

そんなときこそ、初心に立ち返り

柔軟で謙虚に取り組まなければならないのだと思いますが、言うは易し。。

具体的に実行に移すことはどうしてこんなに難しいのか…

 

新たに起業する者よりも、今まで培ってきた信頼や人的物的資産の面でも、当然有利なはずなので、復活を遂げて次の時代を作りたいと、本気で取り組めばできないことはないと思うのですが…

 

事業承継に関わる仕事を多くさせていただいていますが、

事業を幸せに豊かに引き継ぐことは、ほんとうに難しいことだと思います。

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2013年7月16日 (火)

事業承継とリタイア

ご自分で起業されていつの間にか三十数年、そろそろ引退を考えているとおっしゃるお客様。

その時間の大きさ、深さ、そして今、築かれた会社を前にその豊かさを感じます。

お客様の気持ちに寄り添いたいと思っても、事業を一人で切り拓き、危機を乗り越え、決断の連続で切り抜けてきた時間を、すぐに理解することは不可能です。

その思いを、じっくり聞かせていただける立場であることに、幸せを感じています。

 

こんな質問をしていいのかと思いながら、そのお客様に

「…途中で休みたいと思われたことはありませんか?」と聞きましたが、

「会社は子育てと同じで、放ったらたちまち不良になるから…できなかった」

と笑って答えてくださいました。

 

「会社は生物。心で集っている。」

10年ほど前、現横浜市長の林文子さんが講演でお話しされたことを思い出しました。

 

お客様が最良の選択ができるように、あらゆる選択を模索して

お客様が納得して腑に落ちるまで、時間をかけて考えたうえで

事業の行方を決定するための力になれたらと願っています。

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2011年8月 6日 (土)

幸せな事業承継~日本のために

9月に事業承継のセミナーを開催します。

今回の震災で改めて気づかされたことの一つが、中小企業の存在の大きさでした。

中小企業が日本経済を支えている、と頭ではわかっていても

そのことを普段の生活の中で実感することはあまりなかったのですが

東北、関東の中小企業の工場が被災したり、流通が途絶えることによって

被災していない東京でさえも、物資が入ってこないという現実を目の当たりにしました。

そんな日本の中小企業の多くは今、経営者の高齢化、世代交代という時期を迎えています。

中小企業の経営を円滑に次世代へ引継ぐことは、日本経済の発展にとって重要な課題です。

私どもは、税務や会計の専門家として事業承継対策の相談をされることが多いですが、経営者の方がご心配されるように“財産”の承継であることはもちろんのこと、それ以前に、“経営”の承継であることを忘れずに、総合的な見地から支援することが求められます。

時間をかけて、十分に納得できるような解決を、お客様と共に検討していきたい。

そんな思いで、思い当たるお客様の顔を一人一人、思い浮かべたら・・・

“幸せな事業承継”そんな言葉が頭に浮かび、今回のセミナーのテーマにしました。

普段は弊社の会議室などで小さなセミナーをしているのですが、

今回は公開のセミナーとして、東京国際フォーラムの会議室を借りて開催します。

詳しくはこちらをご覧ください。

pencil     http://www.maru-biz.jp/knowledge/seminar.html

Photo

今朝は自宅バルコニーのあじさいがこんなにきれいに咲いていました。

今日から岩手へ。少し留守にするので、写真に収めました。

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2011年1月26日 (水)

事業承継とエゴねり

長年のお付き合いのある社長さんから、事業承継に関するご相談をうけました。

お話を伺いながら、「幸せな事業承継」…そんな言葉が頭をよぎりました。

かつては順調に利益を生み出したビジネスモデルは

時代の流れと共に消えていこうとしていますが

新たな事業が、強い絆をもって、確実に回りだしているからです。

次世代の活動が、明るい表情で活気ある中で進められている様子も見せていただきました。

いつ、どんな形で、その転換点を見極めるかは大きな決断ですが

やはり社長のお人柄に、家族も地域も取引先も、すべての人が集っていることを感じました。

P1260825社長の奥様が、海草のエゴ草でエゴねりを作ってくださいました。

出来上がったものを買って食したことはありますが、

手作りのエゴねりは初めてです。

磯の香りいっぱいで、柔らかくて美味しかったです。

手作りの香りのよい柚子味噌も添えてくださいました。

奥様の優しい気持ちが伝わる味です。

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2009年8月26日 (水)

社内研修

年の後半は、比較的時間に余裕がある時期です。

税理士試験や会計士試験を受験するスタッフは試験が終わってほっと一息、今まで勉強した知識を、今度は実務で活かそうと、仕事やる気満々で張り切っていますrock

お客様の決算期は年の前半に集中していますから、みんな、夏から秋へのこの時期は、疲れもなく余裕あるペースで仕事をしています。

この時期だからこそ、研修ができるpencilbook

専門サービスを提供する私たちにとって、新たな情報や知識のインプットは不可欠。

もっと力を磨いてshine、自信をもってお客様をサポートできるように、日々研鑽することが何よりも大事なのです。

ところが日々の業務が忙しい時期は改めて全体でそんな時間をとることができません。

じっくり取り組めるこの時期は、実力を伸ばし飛躍する大きなチャンスです。

P8251194 年末にかけて研修の時間をたくさん作ろうと決めました。

一昨日は、定時に業務を終わらせて研修スタート。

弊社の副社長も執筆者の一人になっている事業承継対策のテキストを使います。

clip6月の出版のときの記事はこちらです。↓

http://marubiz.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-fdd1.html

事例が豊富で具体的な、盛りだくさんの内容です。

勉強の秋…もともとみんな勉強好きなので、ますます充実した時間になりそうです。

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2009年6月22日 (月)

事業承継マニュアル本の出版

今日の午後は、弊社も会員になっている、ビジネス会計人クラブの定例研修会がありました。

今回の定例会は、事業承継マニュアル本の出版記念講演会でした。

このマニュアル本は、「実例で理解する!専門家のための事業承継対策ガイドブック」という、専門家向けの書籍で、ビジネス会計人クラブの会員の税理士・公認会計士・弁護士・司法書士で構成された、事業承継マニュアル作成委員会の編著になっています。

14事務所22名の専門家がそれぞれ持ち込んだ実際の事業承継事案を中心にして、各ケースの問題ポイントを、相続税額の試算、事業用資産の承継、納税資金の確保、議決権の確保、法務、ごとに論点を整理したものです。

弊社の副社長も、その委員のメンバーとして、執筆を行いました。

今日の講演会では、執筆者の中の数名の会員が、担当された事例の内容や、本の具体的な利用方法などを説明してくださいました。

この本で紹介されている、事業承継に関する9つの事例は、とても興味深く、さらに税務、法律の説明なども充実しています。

本は、今日、出来上がったばかりなのだそうです。

社内の研修で使ってみるのもとてもよさそうです。

P6221129

「実例で理解する!専門家のための事業承継対策ガイドブック」(編著:ビジネス会計人クラブ事業承継委員会) 発行:ぎょうせい 

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2009年2月18日 (水)

事業承継勉強会の企画

昨日の記事の最後に書いた「経営者のための事業承継勉強会」の企画を、さっそく考えてみました。

お客様によって事業承継に対する意識や事前知識には違いがありますが、先ずは「まだこれから」と思っている方を対象にした勉強会をしようと思います。

5回程度のシリーズにして基本から毎回少しずつ勉強することをイメージしています。

税理士向けの税制を中心にした事業承継の研修会には私もよく出席していますが、それと同じような内容では、経営者向としては領域が狭く、深すぎます。

どこからどこまでの範囲をお伝えすればよいのだろう、と考えましたが、中小企業庁のパンフレットがよくまとまっているので、それも参考資料に使わせていただこうと、数冊をまとめて注文しました。

勉強会は隔週で火曜日(仮)の午後6時~7時を5回位。

予め全ての回の内容をご案内し、一部だけ参加でもO.K。

人数は、弊社の会議室で可能な人数を考えて4名に。

もし、希望者が4名を超えたら、別の日程で同じ内容を実施。

…こういう企画を考えるのはとても楽しいですconfident

今回はアットホームな雰囲気の勉強会にしたいと思います。

とはいっても、内容はもちろん、しっかり充実したものを。

5回の勉強会修了後には、参加した方がそれぞれの事業承継のアウトラインが見えてくるように、ということが目標です。

数年前、「二代目経営者のための勉強会」をシリーズで開催したことがありました。

そのときは月に一度、夕方1時間半程度、軽食つき。

毎回、十数人参加してくださいました。

今回は勉強だけ1時間にして、その後に外で食事をしながらいろいろな話ができればと思います。

さて、そこで重要なことは、コンテンツですが、現時点ではこんなふうに考えています。

1.事業承継で注意すべきこと

2.事業承継の方法、親族内承継と第三者承継のそれぞれの問題点と対策など

3.後継者の選定と教育について

4.後継者に経営権を集中する方法(株式、財産。会社法の活用)

5.事業承継と民法の遺留分について(経営承継円滑化法の民法特例の活用)

6.事業承継に必要な資金とその調達方法

7.事業承継に関する税金(相続税、贈与税等)

8.事業承継の一つの方法としてのM&A(成功のポイント、会社の価値を上げる方法)

9.事業承継計画の作成(目標の設定、検討すべき項目)

10.強い会社を作るために必要な財務管理

…ざっと以上のような内容を5回分くらいに分けて行いたいと思います。

網羅できているでしょうか。

開催する勉強会について、ご質問、ご要望などがありましたら、今日の記事にコメントをいただけるとありがたいですpencil

実施は4月スタートを予定。

詳細が決まりましたらご案内したいと思っていますmailto

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2009年2月17日 (火)

納税猶予は贈与がメインになりそう?

123日に平成21年度税制改正法案が国会に提出されましたが、先日お知らせした相続税・贈与税の納税猶予については、租税特別措置法に規定されます。

(ただ、昨年度と同様、いわゆる“ねじれ国会”なので、41日までに法案が成立するか要注意ですが…)

税制改正大綱にもあるように、贈与税と相続税の納税猶予制度では猶予される税額が異なっています。

贈与税の場合には、贈与税の全額が贈与者の死亡の日まで納税猶予されるのに対して、相続税の場合は、課税価格の80%に対する相続税額が後継者の死亡等の日まで猶予されます。

適用開始は、贈与の場合は平成2141日以後の取得、相続税の場合は平成20101日以後の取得になります。

今回の事業承継税制の改正では、贈与税の使い勝手の良さが注目されています。

また、納税猶予になる非上場株式は、既に保有していたものも含めて発行済株式総数の3分の2に達するまでが上限とされますが、たとえば上限ぎりぎりまでは納税猶予制度を使い、残りは相続時精算課税制度を使うことも可能です。

贈与する前に、株の評価をできる限り下げる対策を行い、評価額が下がったところで贈与を行います。

ただ、今回の改正は、事業承継が危機的な状況にある中小企業の非上場株式についての施策とはいえ、まだ第三者承継のケースには恩典がありません。

実際に株式の評価が高いことにより事業承継が問題になる規模の会社は、売上高が10億から50億程度の中堅企業が最も多いそうです。

そして、その規模の会社では、約半数が第三者承継(他人への承継)なのですが、それについては今回、手当てがされていませんdespair

いずれにしても早めの対策が必要です。

まだまだ先のことと思ううちに心積もりをし、早めに専門家に相談し、税法と会社法を駆使して上手に活用した事業承継計画を立てることは、社長の重要な仕事のひとつだと思います。

…とはいえ、いつからどのように進めていいものか、わからないのが本音ではないでしょうか。

そこで、事業承継計画を作るにあたって、考えるべきことや、これだけは知っておいてほしいことなどを勉強する、“経営者のための事業承継勉強会”を始めようかと思っています。

もちろん、事業承継は個別具体的なものですから、勉強会で答えが見つかるようなものではありません。

でも、必要最低限の知識を得て、大まかな流れや選択肢を理解した上で、専門家に相談したほうが、納得のいく選択ができると思うのです。

さっそく企画してみようと思いますconfident

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2009年1月27日 (火)

経営承継円滑化法と税制改正

昨年の1126日、丸ビルにて経営者セミナーを開催しました。

テーマは、“激動の2008年を振返り、来る年を展望する”と、“中小企業の事業承継とM&Aの基礎知識”の二本立て。講師は弊社の会長と副社長。

年末が近づいてお忙しい時期だったにもかかわらず、お客様や経営者の知人友人がたくさん集まってくださいました。

ありがとうございましたhappy01

セミナー後の忘年会も控えていたので、テーマが大きいわりには内容を深く掘り下げる時間がなく、少し消化不良感も無きにしもあらず。いつも企画段階でつい、あれもこれもと欲張ってしまうのです。反省しなければと思いますthink

さて、そのときのテーマのひとつ、事業承継では、一番のトピックスが10月に施行されたばかりの「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継円滑化法)」でした。その中の取引相場のない株式にかかる相続税の納税猶予制度について、親の生前にも事業承継を促進させるため、平成21年度税制改正で、贈与された株式についても同様に納税が猶予されることになりました。

事業承継対策で最も難しい問題の一つは株式の承継です。会社の後継者がスムースに事業を継続できるよう支援するために、

     遺留分に関する民法の特例

     金融支援制度

     相続税の納税猶予制度

を骨子とする法律ができたのです。

これを上手に活用すれば、後継者が親から相続する会社の株式に関しては遺留分を気にすることなく相続でき、また、株式にかかる相続税の納税が8割猶予され(本人が死ぬまで持ち続ければ免除)、相続時に必要になる金融の支援を受けることができるのです。あるいは、生前に親の保有する株式全ての贈与を受けることにより、贈与税の納税を全額猶予(死亡時には贈与時の時価により他の相続財産と合算して相続税額を計算)してもらうこともできます。

(贈与の場合の要件等、詳細については、今後、経営承継円滑化法の中におりこむことになっています。)

ただし、実行に当たっては、各要件や、必要書類がありますので、事前にご相談ください。

いずれにせよ、計画的に事業承継を考えていくことが大切です。

経営の現状を分析し、社長の思い、理念、そしてご自身のライフプランを考慮に入れた計画を作ってみることをお勧めします。

10年くらいの計画が作れればベストですねscissors

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