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2013年3月12日 (火)

「天のしずく」いのちを支えるスープから

「天のしずく」という映画があることを知り、辰巳芳子さんの声を聞きたくなり、先日、見てきました。

辰巳芳子さんは料理研究科の草分けだったお母様、辰巳浜子さんから学び、日本の食に提言をし続けている方です。

 

私が学生の頃の下宿の大家さん、Oさんは、もう十数年前に他界しましたが、食にとても厳しい方でした。食材の選び方、料理の基本、食事の仕方などを教えていただきました。
当時まだ十代だった私は、食いしん坊ではあっても、なぜそこまで素材や料理にこだわらなければならないのか不思議でしたが、他人でありながらも容赦ない厳しさに、食がいかに人間にとって大切なものであるか、叩き込まれたように思います。

そのOさんから、料理本なら、辰巳浜子さんの本を買うように、と言われたので、その頃からずっと尊敬していた方でしたし、辰巳芳子さんの雰囲気や話し方はいつもOさんと重なります。

 

映画「天のしずく」では、辰巳さんが作るスープに関わる、生産者から、終末医療の現場、被災地の保育園、スープ教室の様子、等の年齢も立場もさまざまな人々を追ったドキュメンタリーのような構成になっています。

 

辰巳さんのスープの原点は、脳梗塞で倒れたお父様が嚥下障害で食べる楽しみを奪われた後、亡くなるまでの数年間を支えた、母娘で工夫して作ったさまざまなスープだそうです。

スープは食材がもっとも体に吸収しやすい状態に作られているものです。

いのちを支えるスープができるためには、信頼できる生産者が正しく作った食材があり、それを生かして丁寧につくる料理人がいます。

寝たきりで外に出かけることができず季節の移ろいを感じられない人でも、野菜の香りから季節を感じることもでき、その一口の中に大きな世界が広がります。

素材のよいスープは、どんな人へも、その人を尊重していることを伝えるものであり、最後に命をつなげるものだということを知りました。

 

辰巳さんは現在88歳。映画の中で、83歳のハンセン病の後遺症をもつ女性から手紙をもらい、会いに行くシーンがあります。
友人が亡くなるまでの数日間、友人のために辰巳さんのレシピでスープを作ったというその女性は、不自由な手で、渾身の力をこめてスープを作ります。

80歳を過ぎてはじめて見えるものがあるから、生きることはいいことですね」と語る、明るい表情も印象的でした。

 

食材の持つ命の力、それを預かって料理する人の力、そしていただく人の命の力。

なんて奥が深く、広いのだろうと、思います。

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