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2009年5月 8日 (金)

夢を聞くのが楽しかった日

昨日は、オフィスにさいたま市経済局の方がいらっしゃいました。

さいたま市の研究開発型企業を支援する事業の委員委嘱依頼とのことです。

私は15年前、さいたま市(当時、浦和市)で開業しました。

開業当時は、バブル崩壊後の不況時でしたが、第3次ベンチャーブームが始まった頃で、創業時から株式上場を目指して夢を追う元気な経営者たちが、ちょっと俯きがちな経済情勢の中、明るい希望の星のように思えました。

監査法人勤務中、上場準備の企業の監査をしていたこともあり、ベンチャー企業には馴染みがあったので、ベンチャー企業支援コンサルを業務の中心にしたいと思っていました。

お金がなくても夢は山のようにあって、夢を語らせたらいくら時間があっても足りないような経営者がたくさんいらっしゃいました。

ある経営者は、オフィスにいらっしゃって長時間お話をされて、お腹が空いていたのかお饅頭もたくさん召し上がって(?)…だけど結局、仕事にならなかったこともありました。

マスコミで騒がれて派手に起業したものの、役員同士仲間割れして、あっけなく消滅してしまった会社では、私はほとんど双方の喧嘩の仲裁役でした。

いろいろな人に会い、悩んだり、驚いたり、笑ったり…の日々でした。

それでも、たくさんの人の思いや夢を、ひたすら聞く役割は、とても幸せでした。

共に夢を描いて感動したり、だけどなかなか思うようにならないもどかしさも一緒に味わったり。

あまり私の仕事には結びつきませんでしたが、とても楽しくワクワクしたことが思い出されます。

「セロ弾きのゴーシュ」という童話があります。

セロの演奏にスランプを感じていたオーケストラの一員、ゴーシュのところに、毎晩、森の動物達がやってきて、いろいろな注文をしたり、邪魔をしたりします。

それに応じてゴーシュがセロを弾いているうち、いつしか彼の演奏の腕が上がっているという話だったと思います。

何年もたってからあの頃を思い出したとき、「セロ弾きのゴーシュ」のイメージが浮かびました。

ほとんど仕事には結びつかなかったけれど、あの頃、いろいろな人と会った一つ一つの経験は、すべて開業したばかりの私にとって、とても貴重で有難い勉強になっていました。

さいたま市で5年間仕事をした後、東京・神田で5年間、その後、丸の内に移転して現在に至っています。

創業の地であるさいたま市からの依頼なので、あの頃の恩返しをするつもりで、少しでもお役に立てるものなら、喜んでお引き受けしようと思っています。

たくさんの夢を聞きながら、楽しかったあの日(もちろん、現在はもっと楽しいですが…)に、感謝の気持ちをこめて。

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