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2009年5月13日 (水)

5月の風に乗せて

今年も繁忙期とともに、Y社長を偲ぶ季節が訪れます。

15年前、開業したばかりでまだ仕事もなく、いろいろな勉強会に積極的に参加していた頃、あるベンチャー企業経営者の講演会に出かけました。

大企業を早期退職して研究開発型ベンチャー企業を創業し、当時、ベンチャーの星といわれる企業のY社長の講演会でした。

講演会の後、名刺を交換させていただいたのがきっかけで、会計システム等の問い合わせの電話をいただき、設立したばかりの協同組合の税務顧問を依頼されました。

その協同組合が私にとって初めてのお客様でした。

それをきっかけに、いろいろな方を紹介していただき、仕事が徐々に増えていきました。

何でも勉強と思って、どんな仕事でも引き受け、いろいろな会合に顔を出しては人脈を広げることに力を注ぎました。

Y社長は、穏やかで謙虚、そして大変親しみやすい方だったので、一度会うと誰もがファンになりました。

いつもたくさんの人に囲まれていました。

そんなY社長は、まだ事務所を開業したばかりの私に、経営者が集まる機会があれば声をかけてくださって、いろいろな人を紹介してくださいました。

Y社長が、当時マスコミで騒がれていた人気につけこんで、利用しようと近寄る輩もいました。

それでも大らかで、静かな笑顔を絶やさない方でした。

ただ、とても体調が悪かったのです。

毎日、お酒をたくさん飲む方とは聞いていましたが、重い病気を患っていて、亡くなる前の2年間程はほとんど出社せず、在宅で仕事をされていたように思います。

そんなY社長の誕生日は513日でした。

毎年、その日にはお祝いのメッセージを送り、感謝の気持ちを表していたものです。

亡くなった年のその日には、いつもすぐに返信されるはずのお礼のメールが来ないと思っていたら、520日に病床でお亡くなりになったと聞きました。

地方出張先で、社員の方との電話で知った訃報に、仕事の途中なのに涙が止まりませんでした…

時々、どうしたらいいかわからないとき、「Y社長ならどうするのかな?」と思うことがありました。

「こんな、ことがあったのです。」そう心の中でつぶやくと、いつも

「そう…あなたなら、大丈夫。」

笑って静かに答えてくれる声が、聞こえるような気がしたのです。

でも、そんな問いも、最近ではもう、しなくなりました。

忘れてしまったわけではないのですが、簡単に聞いてはいけないような気がしてきたからです。

ただ単に歳をとっただけではなく、あの頃に比べると、きっと私も随分大人になったはずです。

なのに、実はちょっと臆病にもなっています。

そんな自分を戒めて、これからはもう一度、少し前のめりに生きたいと思うのです。

Y社長の好きだった花を、命日の20日には活けたいと思っています。

そうして、5月の風に乗せて、久しぶりにY社長に、或ることを聞いてみようかな、と思っているのです…

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

お忙しいときでも故人を偲ばれる心がamiさんらしくて良いですね。
Y社長も喜ばれていることでしょう。

投稿: Shiro | 2009年5月13日 (水) 10時57分

Shiroさん、ありがとうございます。
Y社長はお客様第1号で、何のつてもなく開業した私にとって恩人の一人なのです。きっと見守って下さっている、と勝手に(?)信じていますconfident

投稿: ami | 2009年5月13日 (水) 18時10分

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