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2009年2月 7日 (土)

1円落札の功罪

お客様が○○省の入札結果をまとめた表secretを見せてくださいました。

6社のうち、落札したのは1万円で入札した会社。

他の会社は150万円から400万円の間です。

お客様は、何時間もかけて計算して入札に参加し、その結果がこうだとがっかりされていますdespair

とても1万円でできる業務ではないと役所もわかっているくせに、最も安いから当然という結果。

それが問題にならないなんて…何かがおかしいthink

私は某省庁の公共調達監視委員をしていますが、委員会にあがってくる資料を見ても、同じような結果を目にします。

つい先日あった委員会でも、200万円前後の予定価格に対し、落札価格はたったの3千円!

「なんだかこういうのっておかしいですよね。入札した企業間の適正な競争にならないではないですか。」

思わず、委員らしからぬ拙い発言をしてしまいましたangry

いったい何がおかしいのでしょう。

ロジカルに考えよう…と帰る道すがら、思いましたthink

一般競争入札は、民間企業に公平に契約の機会を提供する方法なのだと思います。

ですから、談合等を取り締まり、予防するために、内部の監査や外部の委員の目にもさらされています。

限られた予算の中からコストをできるだけ抑えるように、だからこそ、最も安い価格を提示した者と、その質が悪くないことを確認のうえ、契約するのです。

どうしてもその業務に入り込みたくて、つまりはその次に続くビジネスチャンスを窺って戦略的に破格で入札するところがありますが、それはたいてい、体力のある大企業です。

一般通念を超えた価格どころかタダ同然の価格で入札すれば、落札は簡単なことです。

真面目に積み上げで計算して資料を作った中小企業の競争参加を、頭から排除していることと同じ意味にはならないのでしょうか。

昨年、就労支援のビジネスを展開しているオーストラリアのE社から相談がありました。

E社はオーストラリアで職業安定所の業務も請負っています。

彼らのビジネスの特徴は、引きこもりや、うつ病、障がい者、老年者、女性等、社会的に再就職が困難な人たちに、きめ細かな個別相談を行い、再就職まで導くものです。

公益性の強い彼らの仕事は、政府との請負契約です。

オーストラリアだけでなく、イタリア、フランス、イギリスなどでも各国の政府の理解を得てそのビジネスが成功し、アジアの拠点としての日本での展開を希望していました。

ところが、そこでつまづいたのが、日本の入札制度でした。

ブリスベンの本社に伺ったとき、

「日本では入札案件の質を求めることはないのですか?

オーストラリアでは、その案件について予算の幅が提示され、入札する企業はその範囲でどのようなサービスを提供できるかのプレゼンをし、その中で最も内容が優れている者が選ばれる。

単純に安いからという理由で選ぶものではありません。」

と言われました。

残念ながら、随意契約が認められるのはごくわずかで、彼らが望む形の入札は現在の日本の制度にはないのです。

省庁が全ての仕様を決めたものを、最も安く請け負ってくれるところに発注するという制度のままでは、企業の活性化にもならないし、民間に業務委託したからといって質の高いサービスにもならないような気がします。

いつか、そんな制度も変わるのでしょうか。

もっと民間の企画を柔軟に取り入れることのできる制度になったら、企業も行政サービスも活性化するような気がするのですが…難しいですねthink

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